今週の野花㉔-竜胆

2011/9/26

竜胆 (リンドウ)

今回は、秋の野に彩りを添える竜胆(リンドウ)をご紹介します。 晴れた日には紫色の綺麗な花を咲かせます。 いくつもの花が上を向いて咲き、その凛として立つ姿がとても美しいのです。

私は個人的に、この花には少し思い入れがあります。 それは、竜胆が可憐で愛らしく描かれた「色絵竜胆文変形小皿」に纏わるお話です。 小皿は鍋島誕生期の作品と考えられる「松ヶ谷」と呼ばれるもので、先年これとほぼ一致する陶片が大川内山藩窯系の窯跡で発見されました。 従来は有田町の岩谷川内の作品と考えられてきましたが、この陶片の発見によって定説が覆ったのです。 鍋島・伊万里を愛する者にとって画期的な出来事でした。 また最近江戸城跡で、明暦の大火(1657年)被災の「松ヶ谷」と思われる作品類が発見され、製作年代もほぼ特定できるようになりました。 我々愛陶家は、作品そのものを鑑賞すること以外に、製作窯や製作年代を探り出すことにも大いなる喜びを感じています。 この辺のことに興味のある方は、9月に刊行された『鍋島・誕生期から盛期作品まで』(創樹社美術出版)をご覧ください。

『鍋島・誕生期から盛期作品まで』に、「色絵竜胆文変形小皿」が紹介されています。

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