石のはなし⑨-トラバーチン

2010/10/22

ワイナリー建屋の外壁に貼られたトラバーチン

イタリアにある古代ローマ時代の建造物(例えばコロッセオ)は、トラバーチン (Travertine) という石を多く使用しています。ローマ神殿などの遺跡に見られる多孔質の石と言えば、お分かりになる方もいると思います。原産地はローマ近郊のティヴォリ。
岩石学的に言えば、湖、河川、温泉などからの化学的な沈殿物が層状に堆積した石灰岩の一種です。色は淡いクリームから栗色、目が粗く、穴がボコボコ開いています。

私が石材の調達業務に携わっていたころ、ある発注者が自社で開設するワイナリー建屋の外壁に、是非このトラバーチンを使ってみたいとの要望が寄せられました。しかも、ロサンゼルスにあるゲッティセンターのトラバーチン外壁仕上と全く同じにしてほしいとのことでした。これは、ギロチン仕上と言われるもので、正にマリー・アントワネットの首を切ったギロチンそっくりの刃物を、数十センチの高さから石をめがけて落とし真っ二つに切断します。割れた面は荒々しく、ゴツゴツした肌の仕上となります。

写真の右奥に見えるのが、そのワイナリーの外壁を撮ったものです。光が乱反射して、とても魅力的な表情を見せています。

This entry was posted in FUJINO BLOG. Bookmark the permalink.