石のはなし③-ライムストーン

2010/9/10

エントランスホールの壁にライムストーン(モカクリーム)を用いた例

今日はライムストーン (Limestone) の話。

岩石学上は石灰岩と呼ばれ、炭酸カルシウムが堆積して生成されたものです。鉱石名としては石灰石、セメントの原料になります。石材としては、エジプトではピラミッド、欧米では建造物の外壁などに使われています。たとえば、私が暮らしたロンドンの市街では、セメントに似た風合いのポートランドストーン (Portland Stone) を用いた外壁の建物を数多く見かけます。これも英国産ライムストーンの一種で、「ポルトラントセメント」の語源になった石です。

現在の日本で、建築用仕上材として頻繁に使われるライムストーンは、ポルトガル産のモカクリーム (Moca Creme) という石です。模様は、ベージュ色の地肌に薄茶色の縞柄が平行に入っています。通常は水磨きといって、中目の砥石で研磨し表面の光沢を少なくし、艶をやや落とした仕上げにして、内装の壁や床に使います。この石は、上品で温かい雰囲気を醸し出すので、高級ブティックやデパートなどの商業施設、ホテルや事務所ビルのエントランスホールに適しています。ただ吸水性が高いので、表面と小口に浸透性吸水防止剤をしっかりと塗って撥水処理をする必要があります。でも、この処置さえすれば、たとえ雨掛かりの外装でも大丈夫です。

ちょっとお洒落なエントランスホールに改装したいとお考えであれば、内装材にライムストーンを選択肢の一つとしてお薦めします。

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